登録有形文化財の宿はいっぱいあるけど、重要文化財で現役の宿泊施設ともなると、ほかには東京ステーションホテルだけなんだって。それだけ文化遺産としての価値が高いってことなんだね。
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ところが帰りの坂道を下ろうとしたところ、なんと「早雲禅寺」の石柱と大きな山門。ありゃ?こっちが「早雲寺」だ。じゃあ、さっきのは? そういえば階段(参道)の途中にも鳥居があった。ということは神社。寺院ではないことは明らか。あとからネットで確認したら「白山神社」だそう。温泉の守り神として祀られているようだ。言い訳ではないが元々は早雲寺の境内にあったものを移したらしい。
宿に戻りチェックイン。今回の予約では、金泉楼の10号室または20号室を指定(ちなみに萬翆楼は既に保存のため全室宿泊不可。金泉楼も3階は不可になっている)。できれば眺めのいい20号室だといいんだが、、、
20号室の扉を開けて中へ。8畳二間と広縁。やっぱりいい。重要文化財って感じがする。
息子さんは建築分野の人だし、歴史的建造物にも興味があるみたいだから、話はそれなりに合うんだよね。酒の趣味もね💕
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温泉ふたり旅
「箱根湯本 萬翠楼 福住」(前編)
梅雨が明け、いよいよ夏本番だ。天気は上々。その分朝から暑い。猛暑日の予報も出ている。湯本まで正味2時間弱。日曜の箱根だから多少の渋滞はあるかもしれない。昼休憩などを見込んで約3時間といったところだ。
宿のチェックインは15時予定。その前に周辺を散策したいから14時到着を目標に我が家を11時に出発。
いつもの麵処で揚げナス冷やし蕎麦を注文。ありゃ揚げナスちいちゃッ。しゃあない。ナスと蓮の天ぷらを追加でトッピング。息子は冷やしうどんと数種類の天ぷら。揚げナスちっちゃいけど、蕎麦と天ぷらは普通に美味しい。
ドライブ再開。御殿場JCTで東名に入るべきところ、そのまま新御殿場ICルートに乗ってしまった。ちょっと遠回りだけどしゃあない。その後は湯本駅手前あたりで少し車が多くなった程度で、予想外に渋滞なし。
玄関先に車を止めて、フロントに声をかけると、車は鍵を預ければ駐車場に入れておいてくれるとのこと。バレーサービスってやつだ。ありがたい。荷物も預かってもらって散策出発。息子も同行してくれるそう。嬉しい。
まずは路地を歩いてすぐそばの熊野神社へ。立派な石柱が道脇にぽつんと立っている。社はその奥らしい。
途中に読みにくいけど「箱根温泉発祥の地」なる石碑がある。脇の小屋は多分源泉。その先の階段を登ると熊野神社。看板の説明では熊野神社は温泉の神様だとのこと。
次は早川に架かる「旭橋」。昭和初期の鉄筋コンクリートのアーチ橋。函嶺洞門と千歳橋とともに「国道一号箱根湯本道路施設(険路であった箱根路の近代化の象徴)」として国指定重要文化財になっている。
橋を渡ると対岸に萬翠楼の屋根が見える。さらに少し進むと旧の「旭日橋跡」の碑。昔はそこから福住旅館(今の萬翠楼福住)の横を街道が通っていたらしい。
その街道には今は萬翠楼の昭和棟が建っている。この季節は茂った木の葉に隠れて萬翠楼の全景が見えない。残念。ちなみに当時の様子がわかる貴重な写真を宿のご主人に見せていただいたからご覧あれ(冒頭の画像も参照)。
続いて、古刹巡り。宿から徒歩5,6分のところに「正眼寺(しょうげんじ)」と「早雲寺」があるはずなのだが、さて、どっちに進めばいいのか?スマホを見ながらキョロキョロ。いかにも迷子。すると息子が「そこへ行きたいならこっちだよ」と救いの手。自分が思っていたのとは反対方向。おお、そっちだったのか。よかった。一緒に来てくれてありがとう。
息子の後についてフーフー、ハーハー、汗をかきかき坂を登ること数分。なんとか「正眼寺」に到着。
この寺は歌舞伎の敵討ち物で知られる曽我兄弟ゆかりの寺。本堂は書院造の別荘建築(某銀行家の別荘にもなっていたらしい)として、また庫裏は本堂とともに境内の景観に欠かせないものとして、二棟が国登録有形文化財になっている。
すぐそばに石段と上にはお堂らしきものが見える。こじんまりしているけど、これがそうかと石段を登る。お堂には名称は何も書かれてないが早雲寺と思い込み参拝。その脇にはお稲荷さん。珍しい耳の立った狛犬もいる。鳥居には「白山稲荷」の文字。神仏一緒に祀ることはよくあるし、その時は何も疑いもなく、、、
それにしても、恥ずかしい。なんたる勘違い。息子は笑ってる。ハマショーの「八月の歌」じゃないけど「狂気が発火する 暑さのせいさー」だッ‼
気を取り直して「早雲寺」見学。この寺は北条早雲の菩提寺。
箱根湯本の町はこの早雲寺の門前町として始まったともいわれているらしい。
枯山水の庭や本堂、釣鐘堂がりっぱ。北條五代の墓もある。大木に囲まれ木陰で暑さが和らぐ。
さて、涼んだところで、これで本当に古刹巡り完了だ。寺の境内を出た途端、強い日差し。一気に暑さが襲ってくる。。
そろそろ15時。息子もさすがに暑そう。暗黙の了解で宿に戻ることに決定。その前に、近くの酒屋で部屋飲み用に「箱根ビール」を探すも鎌倉ビールと御殿場ビールしかない。しゃあない。それでよしとする。
で、ビンゴ! フロントのおじさんから「部屋は20号室」と告げられる。大浴場の説明ののち、案内されて2階への階段。
階段入口わきに重要文化財の指定書
一見して内装に手が入ってないのがわかる。というか、重文だから手を加えられないんだろう。昔のままだ。トイレと風呂は後付けらしいけど、本間、次の間、広縁はそのまんま。期待以上。満足。
待ってる間に浴衣に着替えようと下着になったところで、「失礼します」と女性の声。慌てて浴衣を羽織って「どうぞ」。
丁寧で、愛想のいい仲居さんだ。お茶を淹れながら、食事の時間などを決定。聞いたところ他のお客さんは昭和棟に数組。これから来るらしい。
息子はスマホで何やらやっている。風呂はまだあとにするようだ。ならば独泉確実。
ビールはもう少し我慢して、いざ温泉だーッ。
つづく
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