ラベル 旅行 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 旅行 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025/10/08

ひとりたび日記 世界遺産 高野山 その4(完)「九度山~高野山 宿坊に泊まる」2025.9. 18 - 20

   こんにちは。ナッツとココです。今回は高野山の最終回(多分)。車で移動するから思いのほか早くまわれたみたいだね。行く予定だったところは午前中で完了しちゃった。

 奥の院は燈籠堂が工事中で残念だったけど、頌徳殿で尼さんの法話聞けたし、よかったんじゃない。

 その後もいろいろエピソード要素があったけど、旅してるって感じだね。家にこもってるとこういうことはないからね。

 このあとは金剛三昧院に行って、車を止めて打ち上げビールなのかな。まだ昼になったばかりなんだけどね。今夜はお寺に泊まるんだから明るいうちから飲み過ぎないようにね、ご主人💓



 * * *    * * *  

世界遺産 高野山 その4(完)「九度山~高野山 宿坊に泊まる」


 早朝からの高野山世界遺産巡りは残すは金剛三昧院のみとなった。金剛三昧院は世界遺産の観光スポットであるとともに今夜泊まる宿坊でもある。

 まだ昼前でさすがにチェックインは無理だけど、駐車はOKということなのでありがたく直行させていただく。これで車の縛りがなくなればお酒が飲める。

 町役場の駐車場でナビを金剛三昧院に設定して発進。車なら数分の距離だ。途中で路地を曲がり損ねてちょっと余分に走ってしまったが、無事参道入り口に到着。

グーグルマップ借用

 この寺は広い通りから数百メートル奥まったところにある。徒歩の場合は通りからまっすぐに参道を進めるが、車の場合は路地を少し遠回りして参道に入らなければならない。今回は予めストリートビューで参道を確認していたが知らないとちょっと不安になる道かも。自分の場合は特にね(笑)

 山に入っていく感じの参道(広い通りから入って中間過ぎたくらいの地点)。

 石柱を抜けて100メートルほどまっすぐに進むと間もなく金剛三昧院。

 ここを右に曲がると熊野古道の一つ熊野参詣小辺路(世界遺産)が始まる。



表門の前に到着。門に掲げられている文字は「毘張尊」。読めなかった(恥)

 まだ他には1台も止まってない。平日とは言え観光客もいなさそうで静か。参道からしてそんな感じではあったけどね。表門のすぐ横の特等の場所に車を止めて、門をくぐり境内に入るとすぐ右手に案内の窓口がある。中の女性に声をかけると、宿坊のチェックインは14時から。今は特別拝観開催中で、宿泊者は無料でご本尊の愛染明王も拝観できるとのこと。

 ちょうど12時。時間はたっぷりある。ならば是非、お酒を飲む前に愛染明王様にお目にかかりたい。

 その旨を告げて案内のリーフレットをいただいた。

 では境内を時計回りに一周。金剛三昧院といえばまずは国宝の多宝塔だ。解説はリーフレットと説明看板にお任せ。


多宝塔(国宝)

青空に映えて美しい


経堂(重要文化財)


四所明神社(重要文化財)


石畳の奥が本堂

写真左側に茂っているのは天然記念物の石楠花

 階段を上って畏まりながら本堂へ。愛染明王は撮影禁止につき、お寺のHPから画像を借用。

 愛染明王は顔は怖いけど、心は優しいんだそう。




 本堂を出ると石畳の道の先に表門。境内はすごく広いというわけではないが、細いまっすぐの石畳が門を遠くに感じさせる。
 
本堂から門を臨む


 改めて境内を見回す。このお寺は世界遺産で、境内に国宝もあるほどの格の高いお寺。だけど、飾ったところがまったくなくて、有体に言わせていただくなら見た目はかなり地味だ。変に化粧して観光客に迎合した感じがないのもいい。

 初めて来たのに、なんとなく馴染みのある景色。その穏やかな境内やそれを取り囲む風景を見てるだけで心が落ち着き、癒される気がする。

 ここでちょっと脱線するが(いつものことだけど)、いい記事を見つけたのでリンクを張っておく。学生が書いた高野山と観光について書かれたものだが、観光公害いわゆるオーバーツーリズムにも触れており、興味深い。

 何が書いてあるか一言で言うと、「高野山はインバウンドを受け入れながら、オーバーツーリズムに悩まされることなくうまくやってる見本」ってな感じの真面目な話だ。


NEWSPICKS 
1200年のその先に ~大学生・移住者・寺院関係者
まちづくり企業の視点からみる高野山~【取材体験記】


 

 さて、表門の方に少し歩くと左手に本坊・客殿・庫裏。この中には今日は上がれないそう。明朝のお勤めに参加すれば中を見学できるそうである。それまでお預けだ。

本坊・客殿・庫裏


以上で境内一周 完了

 窓口に寄って、チェックインまで出かけてくる旨告げる。貴重品以外の荷物は預かってくれると言ってくれたけど、先に部屋に運んでおいてくれるわけではないそう。ならば車の中に置いておいても同じ。丁重にお断りして、そのまま商店街へ向かって歩くことにした。

 時刻はまだ12時半前。チェックインは14時からだから、ちょっとブラツキながら昼ご飯を肴にゆっくり飲めそうだ。

 通りに出る途中に和風の小さな店がある。暖簾が出ているけど準備中の表示も出てる。 中には客がいる様子。どういうこと? 引き戸を開けてちょっと覗くと外人さんで満員だった。そういうことね。どうも失礼しました。向かいがゲストハウスとかホステルっぽかったのでそこに泊まってる人たちかも。

 さらに先へ進むと広い通りから一本手前のコンビニのある通り。高野山内にはコンビニは2,3軒しかないだそうだから、徒歩圏内にあるのはありがたい。帰りに寄ろう。
 その数軒横に中華屋があるけど、今は中華食べたいって感じじゃない。2,3時間前にラーメン食べたばっかだし。


 んーん。なかなかないな。フラフラしていたら近くの床屋からおばちゃんが出て来て「どうしたの?」と声を掛けられてしまった。店が暇で話し相手探しかな。まさか不審者とかに思われたんだろうか(笑)

 ここは愛想よく「こんにちは」とご挨拶。「三昧院のチェックインまで時間があるんでブラついているんです」と返事。「そりゃ金剛(コンゴ―)三昧院だよ」と笑いながらすかさずツッコミを入れられた。確かにその通り。このテンションはヤバい。暇なら家(床屋)においでよと言われそうな気がして「床屋さんなんですね。このあいだ切ったばかりだから今日はいいです。」などと先回りの返事。まだ話したそうにしているおばちゃんを煙に巻いてその場を退散。ゴメンね、おばちゃん。

 広い通りには店はたくさんあるけど、ほとんどが土産屋さん。おひとり様が昼ごはん食べながらのんびり飲めそうな店は見当たらない。
 立派そうな精進料理店のウィンドウのメニューを見たら、二の膳くらいのが4000円とか5000円。ヒエーッてなる金額だ。精進料理は宿坊の夕食と朝食で食べる予定。当然パス。


 そろそろ店を決めたいところ。少し歩いたらよさげなカフェ見っけ。我がブログ「ナッツ&ココ」と同じ肉球マークも窓に貼ってある。
 よし、ここにしよう。カフェ飯って柄じゃないけどね。ほかになさそうだし。

 店に入ると客は欧米系の外国人が多い。というか日本人はスタッフ以外にいない。ランチメニューはグリルしたチキンかピザのみとのこと。実は唐揚げ以外の鳥皮は苦手なのだ。やむを得ない場合は味を感じないように丸呑みしてやり過ごしている(笑)
 そんなことを冗談めかして(でも聞こえるように)言うと、なんと皮取りましょうかとのご提案。えー、してくれるんだー(感激)。おねえさん、やさしいね、ありがとう。(これは声に出してない。)

 ちょうど客が途絶えたタイミングだからできるサービスかな(多分)。

 じゃあ、ランチはそれを。飲み物はハートランドがあるそうなので決定。

 フロアを一段上がった奥のカウンターに座って、まずはハートランドを一口。

 うーん、のどにシミる。美味い。なんともシアワセ。

 待つことしばし。ランチプレートも目の前に到着。


 チキンはきれいに皮がはがされ、香辛料で風味豊か。

 野菜の素揚げは薄味でグッド。ビールによく合う。

 スマホやiPadを見ながら、まったり。


 店にはお客さんが入れ代わり立ち代わり。自分のように長居する人はいない。

 比較的若そうな欧米系の外人さんばっか。

 そういえば、高野山全体にアジア系の人は目立たなかった感じ。理由は分からないけど。

 さてと、ご飯もハートランドも残高ゼロだ。ビールをもう一杯いきたいところだが、つづきは宿坊にチェックインしてからのお楽しみにしておく。

 ごちそうさまでした。やさしいおねえさんには「チキンおいしかったです」とちゃんと言えました。

 ちなみに、このカフェのトイレのドアには女性マークが貼られている。男性マークのドアを探したがない。トイレは一つしかないのだ。
 トイレの前でキョロキョロしていたら店の女性が来て、これは「女性優先」のマークなんだそう。確かに小さくそう書いてあった(笑)

 最近は海外旅行にも行ってないし、これって、欧米とかでは普通なのかなと思い、AI先生に聞いてみたら、特に普通なわけではないらしい。

 そんなら小さくてもいいから男のマークも貼ってくれるとうれしいなと思った次第。

「ちょっとだけなら男も使ってもいいよ」的なマークでいいから(願)

 店を出て、時刻は13時半を回ったところ。のんびり歩いて宿に向かえばちょうどいい時間だ。

 途中でコンビニに寄って缶ビールとウィスキーのミニボトルと夜食用にコロッケパンをゲット。白いビニール袋をぶら下げて数百メートルの緩やかな上りの参道をチョーゆっくり歩いたが、ものの10分でお寺に到着してしてしまった。 

 車の荷物を整理して準備完了。ちょっとフライングだが窓口の女性に声をかけると、すぐにお寺の人を呼んでくれた。ほどなく作務衣の若いお坊さんが来てくれて宿坊に案内してもらう。

 宿坊は表門の向かいをちょっと下ったところにある。案内してもらいながら九度山に寄ってきたことを話すと、九度山で開催中の芸術祭に興味がある様子。芸術祭を見たかと聞かれ、「紙遊苑」などで少し見た(その1参照)というと、「いいですね」とうらやましがられてしまった。自分は芸術がよくわからない人間なので返答のしようもなく恐縮。

宿坊 正面


玄関を入ってすぐの窓から見える中庭


宿坊の建物は2階建て 客室は40室ほど

(今回は文化財ではないので

ほとんど館内探索なし)

玄関の上り口に貼られたスケジュール


 泊まった部屋は玄関から左側に進み、1階フロアの一番奥の部屋。


 長い廊下を進んで一番奥が今日泊まる部屋。ちなみに正面の障子戸を開けてみると、かなり年季の入った洗面所のようになっていた。

部屋の中へ

和室6畳 トイレ洗面付き

窓の外は植栽で眺望はないけど十分

 布団が最初から敷かれていてちょっと狭いけど、お寺なんだから、最初からそういうサービスは期待していない。ノープロブレム。

 今回の宿坊では、トイレがウォシュレットじゃない可能性を最も恐れていたけど杞憂だった(笑)。新品みたいで我が家のよりキレイ(大笑)。

 実は、念のためアマゾンでポータブル洗浄器具を買って持参していたりした(爆笑)。高いやつ買わなくてよかった(大爆笑)。

 本当は8~10畳の部屋を予約してたんだけど、手違いでこの部屋を案内された様子。

 クレームするか悩んだが、部屋はリニューアルされてきれいだし、懸念していたウォシュレット問題は即解決したし、今回はいつもの「文化財の宿」とは違って部屋の造作・風情には拘らない旅でもあるし、、、

 特に奥部屋って言うのはいい。両側の部屋に賑やかな客が泊まる可能性を考えると、むしろそれを避けられるのはありがたいくらい。

 よし、この部屋でOKだ。

 なんか、いつになく心が寛容になっている自分がそこにいた。これもお寺と言う非日常の環境がそうさせているなか、なんて思ったりして。


 さて、この部屋に冷蔵庫はないから、さっきコンビニで買ってきた缶ビールを冷えているうちに飲んじゃおっと。

 酒の肴はこのお菓子(左)で十分。ビールと甘味はよく合う。余談だが日本酒と甘味(特に和菓子)も意外と相性いい。ただし糖尿病必至ルートだ。まぁ、もうなっちゃたけどね(さすがにその飲み方、もうやってない。笑)

 布団を丸めてクッション代わりにして寛ぎながらビールを2本いただいた。いつもならここで缶ビールの写真を入れて講釈を書くところだが、今回は書かない。書けない。実は写真撮ってないし何を飲んだか覚えてない(笑)

 多分、YonaYonaは飲んだ記憶がある。コンビニで選んでいるときはそれなりに興味を持って選んでいるので、覚えてないということは好みの味のビールじゃなかったからだ。

 昨夜の九度山の宿で飲んだ缶ビールもYonaYona以外は何だったか忘れた。まぁ、どうでもいい話だ。(どうでもいい話を書かなかったら、書くことなくなるけどね)

 ただ、一言うなら、迷ったらヤッホーブルーイング(定番ならYonaYonaとか青鬼とか、最近はエイリアンとか僕君とか)を選んでおけば失敗なしっていうことだ (ヤッホー!)

 さて、これでお風呂までは何もすることがない。お風呂は16時半以降入れるということなので、今から2時間半、何かする予定は何もない。何も思いつかない。いや、何もしたくない。

 折角旅行に来たのに、「なんと勿体ない」と思うか、「なんと贅沢な過ごし方」と思うかは人それぞれだし、同じ人でもケースバイケースだろう。今回は断然後者だ。今はもう、ほろ酔いでとにかく幸せ。何もしなくても絶対に後悔はしないだろう(多分)。

 ちなみに、この間までは、隙間時間があればとにかくiPadでゲームがマストだった。でも、一番時間を費やしていたネトゲの一つをつい最近卒業したのだ。微課金ながらもゲームのサーバー内でNo.10入り(最高順位8位)を果たして有終の美を飾ったのだ(自慢)。

 他にも6年近く続けているゲームがある。こっちは課金相応にかなり強い(なんとサーバー内No.2)。なのでルーティン(レベル上げとか)に時間を浪費する必要がなく、当分続けるつもり。

 なんか、そのつもりはなかったけど自慢話になってしまった。

 そうこうしている間に(というか何もしない間に)、時刻は16時半。お風呂の時間だ。お風呂は温泉ではないが、予めググったネット情報によるとリニューアル済で、広くて、清潔という高評価。そそくさと準備して直行。

 暖簾をくぐって脱衣場へ。誰もいない。独占だ(温泉ではないので独ではない)。

 確かにきれいな浴室だ。多分自分が一番湯だろうけど、お湯も循環しているようで安心。

 温泉じゃないけど、これはこれでいいんじゃない、って感じだ。一応、誰も来なそうなのでハマショーと町田義人と大瀧詠一を一曲くらいずつ歌って切り上げ。

 洗い場も4つ(うろ覚え)。浴槽も3,4人は足を伸ばして入れる広さ。でも、そんな人数で入りたくないけどね。

 バスタオルとか歯ブラシとか、ヘアドライヤーもちゃんとある。アメニティーに拘る人はなんだかんだ言うかもだけど、自分には「金剛三昧院の宿坊って期待以上でなかなかいいじゃん」っていうのが印象だ。この「期待」っていう判断基準をどこに置くかが難しいんだけどね。

 風呂を出たら次は夕食だ。夕食は精進料理。楽しみ。17時半からだからもうすぐ。部屋に戻って、それなりに身なりを整えて食事会場へ。


 ちなみに風呂場の手前に自販機コーナー。別の場所にもう一台ある。

 ただしアルコール飲料はない。


 

 会場一番乗りだ。50畳くらいの広間にお膳が並んでいる。意外とガラガラ状態。4人組の女性グループと4人の家族連れ。自分を入れて総勢9人。

 あと、この場にはいないが数人の外国人グループを見かけた。もっとお客さん多いと思っていた。まぁ、少ないほうがありがたい。コロナ全盛のときは部屋食だったというから、希望をとってくれるなら、そっちに挙手だ。


 指定の席にはすでに概ねの料理がセットされている。

 座ると、早々に給仕の女性が暖かいお椀(お吸い物)を持って来てくれた。

 この宿坊ではお酒も飲めると聞いていたので、熱燗を所望。ちなみに瓶ビールも頼める。

 なお、宿坊によってはお酒の提供がないところもあるそう。そういう宿坊を選ばないよう酒飲みは要注意だ。

 今夜の精進料理はこんな感じ。

 ボリュームもありそう。

 高野豆腐の煮たやつが旨味が染みていて絶品だった。

 「そうめんの量が多いね」って声が遠く離れた席の女性グループから聞こえてきた。確かに。でも美味い。



 お酒もきました。飲み過ぎるの恥ずかしいから熱燗のお銚子一本だけ。

 飲み足りない分は部屋で飲み直しだ。

 グループ客はそれなりに話が弾んでいる様子。一方、おひとり様はお酒をチビチビやりながら、料理を黙々と平らげ、お櫃もほぼ残高なし。さすがにこの席でiPad開いてアニメ見る勇気はない。このまま無言で退出っていうのもなんだから、遠くの皆さんにも聞こえる声量で「ごちそうさまでした!!」。酔っ払いの存在感アピールで、みんな笑ってた。ヨシヨシ(笑)。

 部屋に戻って、時刻はまだなんと18時半。温泉なら何度でもありだけど、普通のお風呂だしね。で、当然飲み直し。いつものようにお酒(よく覚えていないが、ビールは既に飲み切ったので多分JimBeamのミニボトル。この酒は安いわりに飲める。旅のお供にコンビニで時々買う。)を飲みながら、眠くなるまでiPadでアニメだ。

 なんと、そのまま寝落ちしたらしい。その後のことは覚えていないが、睡眠アプリ見たら20時に入眠になってた(笑)。起床の記録は5時。ちゃんと布団にくるまってた様だから、その時点ではしっかりしてた(多分寒かった)ってことかな。酔っ払いのアルアルだ。昔はこれでよく風邪を引いた。

 アプリの記録では5時に起きたことになっているけど、しばらく布団でゴロゴロしてたかボケーとしていたに違いなく、朝のお勤めに行く頃(6時ころ)からの記憶しかない。ということで、記憶のある所から再スタート。

 6時過ぎに宿坊の部屋を出てお寺へ。外は青空。寒いくらいの気温で身が引き締まる。でも爽やか。長袖にしてよかった。

 ところがまだ表門が閉まっているではないか。どうしたものか。すると、お膳を両手で掲げた若いお坊さんが脇の方からこっちに向かってくる。よかった。

 「おはようございます。朝のお勤めに参加したいので、開けていただきたいんですけど」とお願い。

 お坊さんは傍らの台にお膳を置き、すぐにギ―ッギ―ッと重そうな音を立てながら門を開けてくれた。お膳の準備優先で待たされるのかなと思っていたので、意外にもすぐの対応でうれしいビックリ。「あなたはきっといいお坊さんになれるよ」と心の中で応援した。

 朝のお勤めは6時半から。まだ少し時間がある。境内は静寂。折角なので動画を撮ってみた。写真で取れなかった「六本杉」もしっかり記録できた。

多宝塔~六本杉~本坊・客殿


本坊(大広間)から境内を臨む


 そろそろお勤め(勤業)の時間が近くなってきた。他の宿泊の皆さんも集まってきた。外国人4人グループも参加の様だ。お勤めの会場は護摩堂。位牌堂を挟んで本堂の横だ。

 本坊(大広間)の玄関を上がって、縁側を進む。大広間には華やかな襖絵(重要文化財)や色鮮やかな衣が飾られ目を楽しませてくれる。(写真はHPより)

 さらに進んで護摩堂へ。椅子が20脚くらい用意されている。そこはやっぱり最前列に着席。

 お勤めが始まり、堂内に読経が響く。抑揚が独特だ。始まって30分くらいのところで、前に並んだ鉢(焼香台)でお焼香をさせてくれるという。最前列に座った手前、順番は最初だ。我々は椅子席だし、焼香台の前には座布団がないので立ったまま前にかがんで焼香をして、席に戻った。

 ところが、次の人(家族連れで来ていた旦那)は正座して焼香したのだ。

 エッ、そうなの。そうしなきゃいけなかったの?

 結局、その家族以降は右に倣えで外国人も全員が正座で焼香した。
 なんか礼を欠いた振る舞いをしてしまったようでちょっと気まずい。

 あとからAI先生に聞いたら、椅子席で、焼香台の前に座布団がないなら立ったまま(立礼焼香というんだそう)が一般的との返事。でも宗派にもよるって補足付き。ただ、いずれにしても、ちゃんと心を込めたなら礼を欠くということはないよと慰めてくれた。なんとも微妙な回答だ。

 話を戻す。焼香が終わり、朝のお勤めもほどなく終了。このあと、和尚の法話をいただいた。
 内容はこの寺が世界遺産に登録されたときの文化庁とのやり取りや、国宝の多宝塔の管理にまつわる話など。
 殊に世界遺産に際しては文化庁の指示で建造物の修復をすることになった。その費用は数十億。頼んだわけでもないのに世界遺産になったわけだから、全額を国(文化庁)で用意してくれるものと思っていたら、国は半分だけ。残りは自分たちで出せと言われたそう。その後も国との交渉には難儀したとのこと。
 多宝塔については、大雪が積もり倒壊が危惧されたため雪下ろしの準備をしたところ、文化庁から勝手に触るなとお叱りを受けたとのこと。管理者なのに。非常に面白いお話を聞かせていただいた。ありがとうございました(拝)

 法話のあとは位牌堂に案内され、源頼朝、北条政子、足利尊氏を含む位牌に拝礼。そのあと本堂で愛染明王も拝観させていただいた。

 さて、時刻は7時20分。朝食だ。宿坊に戻ってそのまま会場へ。お一人様は行動が早い。今回も一番乗りだ。
 朝食には外国人グループも一緒に。お一人様の席は昨日の夕食の時以上に離れ小島のようだ。しゃあない。

となりが遠い

お茶を淹れて待っていると
ほどなくお味噌汁を運んできてくれた
これで朝食の完成

ちょっと質素に見えるけど
お寺の精進料理だからね 十分満足

 早起きして、お勤めのあとのご飯は美味しい。左上のガンモは特に美味。お櫃のご飯も完食。今回も大きな声で「ごちそうさまでした!」(感謝)

 さあ、部屋に戻って帰り支度だ。今日は土曜日だから渋滞も懸念される。8時から9時の間にチェックアウトすればいいのだが、早いほうがいい。天気も下り坂の予報だし。

 8時ちょうどに部屋を出て、とりあえず荷物を車に乗せて、お寺へ。
 チェックアウト一番乗りと思っていたら、あの家族連れに先を越された(笑)。

 支払いは現金。宗教法人だから領収書は出ないと思っていたら領票なるものをいただけた。

 記念に撮影しておく。
 お世話になりました。


 帰りは昨日登ってきた山道。今度は下りだ。やはり後続車に付かれてしまう。お先にどうぞも昨日と同じだ。下り終えて一安心。最初のコンビニ(セブン東渋田)でトイレ休憩。ここからは京奈和道かつらぎ西ICから名古屋経由で静岡までの高速ルートだ。ただし京奈和道は未完成区間に要注意。案の定、橿原付近の一般道への合流でかなりの渋滞にはまってしまった。

 30分程度で京奈和へ復帰。その後は順調。でも1時間ごとを目安に休憩を取りたいのだがうまくいかなかった。一回SAやPAをやり過ごしてしまうと次までが長いのだ。第二東名などに慣れていると厄介だ。例えば第二東名の新静岡~浜松間は1時間程度。この間にSA、PAが①静岡、②藤枝、③掛川、④遠州森、⑤浜松の5つもある。いつでも休める安心感ある。

 さて、かつらぎ町のセブンから約2時間後に名阪国道の伊賀SAでやっと休憩。往路(下り)で会った伊賀嵐マイちゃんはこっち(上り)ではニンニンしていなかった。残念。
 

 時刻は11時過ぎたところ。お腹が空いてきたので何か食べたい。精進料理が続いたせいか、ガッツリ系が食べたくなってしまった。で、バーン、味噌カツ丼。


 美味しいに決まってる。最初の一口は文字通りホッペが落ちそうになる。ちなみに味噌カツの発祥は三重が有力説なんだそう。一般的には名古屋に持っていかれちゃってるけどね。

 お土産もここで赤福とエビせんをゲット。赤福は消費期限が二日しかないから、すぐに食べれないときは冷凍して自然解凍すればいつでも美味しい。自己責任だけどね。

 お腹満足で出発。次は刈谷PA。12時40分。ここはトイレ休憩のみ。空が暗く雨がポツポツ降ってきた。宿出発からすでに4時間半だ。あと、2時間くらい。もうひと、ふた頑張りだ。


 静岡県に入って雨が本格的に。まだ残り1時間。頑張りすぎないよう「NEOPASA浜松」って、SAだかPAだか分からないような名前の施設でも休憩。一体どっちだ? 時刻14時ちょっと前。


我が家に着いた時には雨が上がっていた。
やっぱり晴れ男なのかな。

 * * *   * * *  
 
 世界遺産 高野山巡り完了。さすがに二泊三日だとたくさんの出来事が起こるねー。今回の記事(その4)は過去最長かも。一泊二日でもいろいろあるのにね。帰りはちょっと雨になっちゃったけど、滞在中(昼間)はほぼ晴れ。これだけ雨に降られずにいるってのは、依然「晴れ男」というのも過言ではないって感じだね。
 とにかく無事でなにより。次は奥方と信州別所温泉の二人旅。宿はおもてなしでも名高い、あの「花屋」。ちょっと奮発して奥方の御機嫌取りかな。頑張ってね、ご主人💘


👀画像の引用は本文記載の通り
その他の画像は滞在時に撮影

フォトギャラリー(国内編 2024~ )

       目  次 2024.10.30  白骨温泉(白船温泉グランホテル) 周辺 2024.11.17 箱根宮ノ下 富士屋ホテル 2024.12.10  昇仙峡(石和温泉 旅館深雪) 2025.1.21-22 修善寺温泉(新井旅館) 2025.2.19-20  湯河原温泉(...