2025/07/27

温泉ふたりたび日記 「箱根湯本 萬翠楼 福住」2025.7. 6 - 7 (中の2)


  こんにちは。ナッツとココです。今回も箱根湯本「萬翠楼 福住」の続編。

 泊まっている金泉楼20号室を満喫して、今度は萬翆楼の探検。と言っても有名な天井絵のある15号室などの室内は明日の朝案内してもらうまで見ることはできないんだけどね。

 それまで待ちきれないんだよね、ご主人💕


 フォトギャラリー箱根湯本「その1」「その2」「その3」と合わせて読んでね。

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温泉ふたり旅 

「箱根湯本 萬翠楼 福住」(中の2)

 金泉楼からの廊下を抜けると萬翠楼の2階 25号室の前に出る。
 
右の格子戸が25号室 左は35号室への階段
 格子戸は鍵が閉まっている
天井のレリーフが印象的
金泉楼の方を振り返るとこんな感じ 
手すりもおしゃれ
細かな装飾 いい仕事だ
窓も時代を経たって感じで素敵
1階へは螺旋階段 板は一枚板  
グルっと回って1階へ
15号室前 当然ここも入室禁止  
  廊下に出て振り返るとこんな感じ
萬翆楼も金泉楼と同様に木骨石造 ゆえに扉も重厚
踏み石は人工大理石 
現場打ちで固まるまで2週間かかるそう
萬翆楼の扉の前から玄関側(格子戸)を臨む   
   この格子戸は行き来自由
格子戸を抜ければフロント手前・大浴場前に出る

 本日中に探索可能なところはここまで。萬翆楼の部屋は明日の朝、宿のご主人である福住氏が案内してくれることになっている。それまで楽しみはお預けだ。
 
 とりあえず部屋に戻ってビールでも飲みながら夕食を待とう。

15号室の前を通って来た階段をぐるりと上る
下りでは気づかなかった階段の明り取り
金泉楼への廊下
ちなみに部屋の配置は下図のとおり

 部屋に戻って時計を見ると17時。息子はまだ読書中。
 ならば夕食までにiPadでゲームのルーチンを仕上げておこう。
 飲み物は御殿場高原ビールの紫缶「シュバルツ」。名前の通りの黒ビールだけど味はライト。これまた息子とシェア。
 連れがいるとシェアできるのがいい。いろいろ飲めて楽しい。

 ゲームは30分程度で完了。テーブルの上に宿のドリンクメニューが置かれている。夕食のお酒を考えておこう。なぜかここでも箱根ビールやその他のご当地ビールっぽいものがない。さらになぜか「キンシ正宗」が作っているビールが「地ビール」としてメニューに並んでいる。

 キンシ正宗といえば京都の老舗の清酒。行きつけの飲み屋でよく飲んでいる酒だ。なぜに京都のビールをこの宿で地ビール扱いしているかは疑問。だけど、悩んでもしゃあない。

 どこのものにせよ、飲んだことのないクラフトビールだ。ネット情報を見ながら息子とも相談して、深いコクが特徴だという「花街麦酒」とフルーティーな香りとほろ苦さが特徴との「京都はんなりIPA」に決定。

 日本酒の方は箱根の地酒三種飲み比べセットがお得そうで、悩まずそれに決めた。
 最近のクラフトビールブームのおかげで日本酒ともども美味しいビール巡りも旅の大きな楽しみ。

 夕食の事前準備も万端。食事は夕・朝とも部屋食なので仲居さんの配膳を待つだけだ。

 ほどなく時間になり、仲居さんが料理を一品一品テーブルに並べてくれる。
 配膳に使われているお盆は富士を描いた見事な鎌倉彫。なんと二十六代 運慶の作なんだそう。どのくらいすごいのかはわからないけど、すごいらしい。

 先付け、前菜、お造りなどが並んだところで料理の説明を聞いて、夕食開始。
 
  その他の料理は随時持って来てくれるそう。
夕食献立
ちなみにメインは息子はアワビの踊り焼き
自分は牛の陶板焼きをチョイス
ちょっとずつシェアできる

 キンシ正宗のビールと地酒飲み比べセットも早々に用意してくれた。料理人さん、仲居さんありがとう。いただきます。
まずは「花街麦酒」 なるほどのコク
続いて「京都はんなりIPA」 期待通りの香りと苦味
日本酒三種は石井醸造のお酒。銘柄はラベルの通り。
いずれも、すっきり飲みやすい味。
各300ml。3本で900ml。
二日酔いになるのを避けて途中でストップ。
飲み残しはお土産で持ち帰り。

 お酒を飲んだ後でも赤だしの渋みとご飯の甘みが絶妙マッチでおいしい。もちろんデザートも完食。ごちそうさまでした。

 夕食を片付けながら仲居さんが冷水の入ったポットと防災用のでかい懐中電灯をテーブルの上に用意してくれた。さすが重要文化財の宿。

 その後おじさんが来て、布団を次の間に並べて敷いてくれた。息子にイビキ攻撃してしまう懸念もあるので、部屋を分けて寝てもいいのだが、、、どうしてもいやなら息子が自分で移動するだろう。

 当の息子は広縁の椅子に座ってまた文庫本を読み始めている。ふたりとも家でもテレビ見ない派。自分はこれでiPadでアニメを見ながらいつでも寝落ちできる。

 時刻は20時。扇の湯に入れる時間だがお酒も結構飲んじゃったので明日の朝でいいや。とりあえず布団に寝転んで今日撮った写真を見直す。そういえばまだ宿の外観を撮ってなかったっけ。明日の朝庭に出て撮らなきゃ、などと考えているうちに睡魔がやさしく誘ってくる。イヤホンしてdアニメストアを開いて、そのうちボンヤリ、、、

 スマホのアラームが鳴っている。目覚めたら、すでに朝6時。睡眠アプリを確認すると、21時前に入眠。起床は6時。9時間寝たってことだ。よく寝たのにスコアは79点の平均以下。深い睡眠の持続性が低いのが原因。その分を睡眠時間の多さで補っているって感じだ。
 歳をとると睡眠時間が短くなるとか、早起きになるなどと言われれるが、自分には全くあてはまらない。

 息子は移動しなかったようで、隣で爆睡中。静かに朝風呂の支度をして温泉へ。

 今朝は扇の湯だ。青の暖簾が出ている。昨日入った一円の湯は今朝は女性風呂。入口の札はそうなっているけど赤の暖簾がでていないのはなぜか。昨夜昭和棟に泊まっている夫婦らしき客を見かけたので、女性客がいることは確実なんだけど。いずれにせよ、赤の暖簾が出てないのなら一円の湯には誰も入っていないのだろう。

 青い暖簾をくぐって脱衣場へ。こっちも先客の気配なし。期待通り独泉だ。


この先が風呂場

 なるほど「扇の湯」。その名の通りの形。一円の湯と同様にタイルの模様が美しい。一円と扇。うまく名付けたものだ。

 感心しながら、湯船にザブン。ぬるめの湯で朝一にはちょうど良い。いつものようにハマショーを歌おうと思ったその時、、、「カラーン、ザブーン」。誰もいないと思っていた隣の湯(一円の湯)からいかにもお風呂に入ってますの音。エッ⁉ 誰か入っている‼ 予想外でちょっとビックリ。

 二つの湯の間の壁の上は空いているから、隣の風呂の音がよく聞こえる。独泉とは言えこれはさすがに大きな声では歌えない。小声で数曲。露天に移動してこれまた数曲。手足を伸ばしてプカプカ。いいお湯だ。


 部屋に戻ると、息子は起きていてスマホをいじっている。散歩に行ってくる旨声をかけてズボンとシャツに着替えて出発。とりあえず庭に行こう。

 フロントに声をかけると、庭へ入るには入口の扉の閂を抜いて入ってくださいとのこと。

 玄関を出て20メートルほど歩くとすぐに早川。旧旭日橋の跡と分かる杭とチェーン。対岸にはその碑もあった。なるほど、この宿に来るために架けられた橋。「福住橋」とも言われたのも頷ける。

 その脇に庭への扉。ゲートと呼んでいいくらいの結構大きい鉄格子の扉。なるほど鍵はかかっていないが内側に頑丈そうな閂。格子の間から手を入れギコギコしてやっと抜けた。要領を得ないと面倒だ。

 庭は広くはないが苔と樹木で林って感じ。あまり手を加えない今の雰囲気も嫌いではないが、対岸から建物の全景が透けて見える程度にもう少し枝を剪定してもいいかも。

 建物はさすがに老朽化を隠せないが、往時の意匠のすばらしさは十分にうかがわれる。
 
上の写真2枚は金泉楼 
2階の手前の部屋が泊った20号室

 とくに萬翆楼の窓のデザインはネットの写真で何度も見ていたが、実物はさらに和洋折衷感があって美しい。白い壁に大きな木枠のガラス戸とその上の半円形の小窓。それが1階と2階に並行して連続する様がとにかくいい。


上の写真4枚は萬翆楼  
やはり特徴のある窓がステキ


庭の一角にお稲荷さん   
枝の間から現在の旭橋も見える

 庭から戻ってそろそろ朝食。息子も朝風呂に行ってきた様子。ほどなく仲居さんが朝食を運んできてくれた。

鎌倉彫のお盆 絵柄はないがこれはこれでいいものだ 
朝食の全景
(空の皿はサラダが入っていた。食べかけの焼き魚はアジの開き) 

 朝風呂浴びて、散歩もしたのでお腹はすでにペコペコ。息子もよく食べる。お櫃のご飯も空っぽ。ごちそうさまでした。

 この後はいよいよ萬翆楼のお部屋見学だぁー  

 * * *   * * *   

 楽しみが多すぎてなんと初の第4巻につづくになっちゃったね。そんなに脱線もしてないのにチョー大作。なんてったって重要文化財だからね。
 この後は宿のご主人の案内で萬翆楼の部屋見学。なんとご厚意で1階から3階まで全部案内してくれるらしいよ。楽しみだね、ご主人💓 
 
              
フォトギャラリー箱根湯本「その1」「その2」「その3」も見てね















2025/07/20

温泉ふたりたび日記 「箱根湯本 萬翠楼 福住」2025.7. 6 - 7 (中編)

 

 こんにちは。ナッツとココです。今回も箱根湯本「萬翠楼 福住」の続きだよ。部屋に満足したところで温泉「一円の湯」。独泉確実。楽しみだね、ご主人💕


 フォトギャラリー箱根湯本「その1」「その2」「その3」と合わせて読んでね。

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温泉ふたり旅 

「箱根湯本 萬翠楼 福住」(中編)

 この宿の風呂は部屋風呂のほかに、「一円の湯」と「扇の湯」という大浴場が二つ。時間帯で男女入れ替え。それぞれには露天風呂が付随している。この時間の殿方用は「一円の湯」だ。
階段を下り1階ロビーを横切って奥へ

青い暖簾をくぐる

 独泉と確信していてもちょっとドキドキだったりする。よかった誰もいない。今のうちにスマホでパシャパシャ。

脱衣場  清潔
入り口側を振り返るとこんな感じ
この先が風呂場
なるほどまん丸 一円だ
遠目で見るとこんな感じ タイルの模様がきれい
出入り口側
透明でわかりにくいけどドボドボドバーのオーバーフロー

 一通りパシャパシャし終えて、浸水開始。おじさんの説明では内湯は38度とのこと。確かにぬるめ。でも、肩まで浸かってハマショーと町田義人を数曲熱唱するにはちょうどいい。

 それにしてもエコーがよく効く。大声をだすと反響がビンビンする。若干声を落とすくらいがいい感じだ。オーバーフローのドボドボドバーの効果音も盛り上げてくれる。

 見上げると隣の「扇の湯」との間の壁は上部が開いているようだ。ということは誰かいたら丸聞こえ。でも今は大丈夫。赤い暖簾が出ていなかったから誰も入っていないはず。憚り無用だ。

 ひとしきり歌って満足したら、露天へ移動。

ガラス戸を開けて石の露天風呂へ
植え込みもいい感じ

 こちらの湯は41度くらい。気温は高いはずだけど、湯船に浸かると空気が涼しく感じる。  
 やっぱり独泉はいい。縁の石に頭をのせて身体をぷかぷか。心身ともにリフレッシュ。
 生き返るとは正にこの感覚だ。

暑さを忘れる不思議な清涼感

 風呂を上がって茹った身体をクールダウン。空調も扇風機も独占。脱衣場をちょうど出ようとしたとき息子と入れ替わり。

冷水サービス おいしい
 
部屋に戻る途中の額絵 昔の箱根の図
「福住」の「住」の字が、、、よく見るとカタカナ3文字に化けてる?
設計時のデザイン画かな
往時の浮世絵風図画
わからないけど価値ありそう
館内には他にもたくさん展示されてる

 部屋に戻って、早速冷蔵庫を開ける。まずは鎌倉ビール。さっきの酒屋で仕入れた「Indi五」っていうラベルの瓶ビールだ。IPA(インディア ペール エール)の表示。

 広縁の椅子に座ってシュポッと栓を抜く。瓶の口から霧となって漂う香。期待できそう。グラスに半分ほど注ぐ。色もいい。かるく一口。コクがあって風味豊か。程よく冷えてのど越しサイコー。

御殿場高原ビールの味は知っているから後回し

 ビールを飲みながらあらためて室内を見渡す。そして目を凝らして部屋を徘徊。傍から見たらキモイに違いないが、思わず顔がニヤリとなってしまう。


 掛け軸は徳川慶喜。もちろん本物。書のよさがわかるかと聞かれれば、正直「わかりません」。他にも誰の作か知らないが価値のありそうな図画や書が掛かっている。

 障子の組子細工は繊細。自然の光が作り出す陰影はただただ美しい。



次の間
すりガラスと外の格子とのハーモニー
ガラス戸を開けると年季が入ってるけどおしゃれな格子

 欄間は鮮やか過ぎず、歴史を感じる趣のある絵(元は鮮やかだったのかも知れないけど)。





天井板の組み合わせも本間と次の間では意匠が異なる
本間の天井は木目が交差  次の間は順目  凝ってる

 広縁のじゅうたんや椅子は淡い紫。肘掛けの擦れ具合。この空間にあってこそだけど、そのレトロな感じがまたいい。座り心地も悪くない。

 窓からは絶景ではないけれど庭と早川が臨める。ここにいるというだけでなんとも幸せな気分。ビール効果もあって顔がニヤケルのもしゃあないのだ。

風呂も扉を開けただけで芳醇な檜の香
部屋風呂は結局入らずじまい  もったいなかったかも

 ひとりニヤケテルところへ息子が風呂から戻ってきた。「Indi五」が瓶にまだ残ってる。飲みたそうなのでシェア。

 息子は文庫本を取り出して読み始めた。館内探索に行かないかと誘ったが振られてしまった。しゃあない。単独で萬翆楼探検だ。

 部屋を出て、すぐに右折。狭い廊下が続いている。


萬翆楼はこの先だ!

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 温泉入って、美味しいビール飲んで、そして部屋には大感動で、ご主人の顔ニヤケっぱなしだね💖
 この後は館内探索、そして夕食とお酒。まだまだ楽しみがいっぱい。
 だけど、息子さんが見てるんだからハメを外しすぎないようにね💓 
 
              
フォトギャラリー箱根湯本「その1」「その2」「その3」も見てね

👀画像引用:タイトル画像はHPより







温泉ふたりたび日記 「箱根湯本 萬翠楼 福住」2025.7. 6 - 7 (後編)

    こんにちは。ナッツとココです。 いよいよオーラスの萬翆楼見学だね。  通常は15号室のみの見学だそうだけど、今回は宿の予約の時から文化財や建築に興味があるって要望していたから、その熱心さに応えて25号室と35号室も特別に案内してくれるんだって。  よかった ね、 ご主人...