こんにちは。ナッツとココです。今回はご主人が昔仕事していた伊豆の下田に日帰りで行ってきた話だよ。
電車で行ったみたいだけど、5月2日っていえば、豪雨で電車が止まっちゃった日だよね。行きはヨイヨイでも、帰りはかなり大変だったみたいだね。
とりあえず無事?帰って来れてよかったね、ご主人💓
* * * * * * * * *
わが青春の「四方八」 下田ひがえりの旅(前編)
今年4月中旬のこと、昔の職場の先輩Aさんから「四方八(よもはち)が5月10日で店仕舞いするらしい」というLINE。すかさず「行きたい」と返した。
今から35年くらい前の話であるが、3年間ほど伊豆の下田市にある職場に務めていた。当時は独身であり、寝泊まりは職場から数キロ離れた宿舎。職場には同年代の独身の男も多く、みな酒好きで宿舎も同じ。となれば当然、毎夜のように、どこかで酒盛り。
そして職場と宿舎の間にあったのが居酒屋「四方八」。そこの女将さんが明るく元気で、豪快という言葉が似合うお人柄。ご主人は板前さん。厨房でいつもニコニコ迎えてくれる。もちろん料理が美味しいのはいわずもがな。我々の間では何かにつけ、「じゃあ、四方ちゃんに行こう」が合言葉。
四方ちゃんではいろんな話をした。独身の男が集まって酒となれば、話題は知れたこと。中には酒の勢いで四方ちゃんから電話して告白なんて野郎も。職場にまつわる笑い話や愚痴もすべてが酒の肴。
酔っ払い騒動もいろいろあった。自転車で道路脇の階段から数メートル転落し骨折した奴。止まっていた軽トラの荷台に乗り込み、寝入っている間に連れ去られた奴。木に登ったはいいが降りられなくなった奴もいた。黒船祭りで酔っ払い、居眠りして起きたら鞄がなく、裸足。着ていたはずの上着もなしだったのは、、、自分だった。
職場からは注意とともに野外飲酒禁止令が発令されたのはそれから間もなく。そんなことがあっても、四方ちゃんの女将さんは、いつも「大丈夫だよ、ワッハッハ」と笑って元気をくれた。「ああ、あのころはよかったなー」。いかにも年寄りくさい懐古だが、実際ジジイなんだから、しゃあない。
その「四方八」が店仕舞いなのである。最後に行ってから20年以上経っている。こういうときLINEグループは本当に便利。早速「5月2日に一泊で行く」というLINEがSさんから。さらにKさんから電話で同様のお誘いも。ちなみに彼は地方TVだがコメンテーターとして時々登場する有名人であったりする。翌日所用があるため少しためらったが、彼とも暫くぶりなので「一泊はできないが、日帰りで行く」と返事。彼は仕事がてら5月1日から連泊するそう。さすが有名人だ。
その後Hさんからも一緒に行かないかとLINE。彼は一泊組なので往路のみトゥギャザーすることに。自分は日帰りで行くのだから少し早めに行って温泉に浸かりたい。となれば、蓮台寺温泉の金谷旅館だ。スケジュールは昼前の新幹線で熱海まで。伊東線&伊豆急に乗り換え蓮台寺に14時着。この案でHさんも了解。Kさんとは金谷旅館で合流することに。SさんとAさんとは17時開店の四方八で、となった。ちなみに、Aさんは退職後趣味を兼ねて伊豆で民泊をやっている。今夜は自分を除いてAさん宅に宿泊だ。今思えば、自分も一泊できていれば、最高の下田旅行だったのだが、、、さて、当日。一週間くらい前までの5月2日の天気予報は晴れだったのだが、数日前から予報は雨、局所的な大雨の予報に悪化。さらに今日当日の予報では午後から豪雨に注意に。天気は気になるが、そんなに心配していなかった。なぜならHさんと新幹線待ちしていると反対ホームにディズニー号が停車。「これはラッキー。いいことあるかも。」お気楽にもそのときはそんな感じ。
熱海で新幹線を降りて、JR伊東線&伊豆急各駅停車に乗り換え。その前に缶ビールと駅弁をゲット。準備のいいHさんは新幹線に乗る前から弁当携行。お待たせしてしまった。電車は赤いリゾート21「キンメダイ号」。なんとか席を確保。隣や周りの席では中国語が飛び交っている。まあ、最近はどこに行ってもそうだよね。Hさんとは互いの近況や今日の天気の話。電車の窓を打つ雨は強くなったり弱まったり。蓮台寺駅から金谷旅館まで数分歩かなきゃいけない。そのとき土砂降りでなきゃいいんだけど。車内は一駅ごとに席が空いていく。 定刻通り14時に蓮台寺駅に到着。なんと改札でKさんが出迎えてくれた。下田駅から電車で来て、そのまま待っててくれたとのこと。さて、そこからは歩き。残念ながらなかなかの雨。金谷旅館までの数分で膝から下のズボンはグッショり。風がなかっただけでも幸いか。 でも、濡れたっていいや。すぐそこに湯船が待ってる。金谷旅館といえば「千人風呂」。入浴料は千円(期せず割引期間中だったらしい)。バスタオル借りたければプラス300円。脱衣場でパッと脱いで、一応、濡れたズボンは広げて乾きやすくね。いざ千人風呂へ。
湯上り後は休憩室の椅子に座ってしばし雑談。窓から雨の様子がよく見える。雨脚はますます強くなっている。屋根の軒樋からあふれた水がゴーという音とともに滝のように落ちている。三人で顔を見合わせて苦笑い。金谷旅館からは四方八までは、天気に関わらずタクシーで行く予定だったが、その前に下田駅周辺を少し街歩きもと考えていた。さすがにこの雨では諦めよう。
Kさんがちょっと早めに店に入れてもらおうと提案して、四方ちゃんに電話。スマホから「いいに決まってるじゃん」と女将さんらしいハイテンションな声。ついでにKさんがタクシーにも電話。待つことしばし、タクシーで四方ちゃんへ。下田市役所に荷物を預かってもらってるとのことで、Kさんは宿の斜向かいの旧中学校舎(新市役所)に寄り道。今は雨が上がり、空が明るくなっている。車内で待っている間、Hさんとさっきの豪雨の話。するとタクシーの運ちゃんから「伊豆急が止まってる」との不穏な情報。でも「ちょっと降るといつもそうだから。すぐに再開するはず。」と聞いてひと安心。天気は回復傾向なのだから。
四方ちゃんの店の前に到着して空を見上げるともう青空だ。日も差しているではないか。これなら問題ないだろう。すっかり帰りの電車の心配は消えていた。今思えば、なんとも能天気なことだった、、、
後編につづく
* * * この投稿を「四方八」店主ご夫妻に捧ぐ * * *
0 件のコメント:
コメントを投稿